203x年のR&Dビジョンの具現化支援(NTTドコモ様)

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2020.6.12

・クライアント:NTTドコモ様
・チャレンジ:
 ― NTTドコモ様が検討中の203x年のR&Dビジョンについて、社内外の人と具体的なイメージが共有できる
   ように、その未来に暮らす生活者の社会を具体的かつ迫真性を持って描きだす。
 ― クライアントの納得感を大事にする。
・アウトプット:
   203x年に活躍するペルソナ、およびNTTドコモ様のビジョンを体現するサービス例を記載した資料


NTTドコモ様は、iモードや絵文字、LTEなどの最先端の技術やサービスによって、私たちの遠隔コミュニケーションの世界を常に開拓してきました。

そんなNTTドコモ様の中で、新規事業を立ち上げることをミッションとしているイノベーション統括部門から、203x年に向けてR&Dのビジョンを検討しているが、ビジョンをその未来に暮らす生活者の視点で描き、リアリティのあるもの、つまり具体的で迫真性のあるものに創り上げたいとの相談をいただきました。
検討中のビジョンは、方向性としては明確なのですが、まだ抽象度が高く、読む人によって異なるイメージを抱いてしまうという問題がありました。このビジョンがR&Dの方向性を定める上での拠り所となるためには、読み手によらず共通のイメージを具体的に持てるようにする必要があります。
私たちは、203x年に暮らす人物や社会の理想像について文脈たっぷりに描き、その世界をNTTドコモ様のサービスがどのように作り、支えていくのかを描くことにしました。

また、ビジョンを作る上でもうひとつ欠かせないのは、社員の皆様の納得感です。完成したものの内容も重要ですが、何よりも、社員の皆様がこの作業に参加することが大事だと考えました。社員の皆様自身が考えて意見を出し、それが反映されてこそ、納得感のあるビジョンが出来上がります。
そこでこのプロジェクトでは、ワークショップを多用して社員の皆様と一緒に検討を深めていきました。R&D部門以外に経営企画部門やサービス部門の方にも広く参加いただき、皆で意見を出し合いながらまとめていきました。

本プロジェクトは、以下の手順で進めました。

1.調査対象の定義
NTTドコモ様が着目している複数の領域の中で、203x年に向けて支援したい人物像または業界を具体的に挙げ、6つの調査対象を設定しました。

2.ユーザー訪問調査
6つの調査対象について、エクストリームな人をそれぞれ3名ずつ、計18名選定しました。そして実際の生活の場を訪問し、生活の様子を見せていただきながら、現在の活動、理想や課題などについて深くかつ幅広く伺いました。訪問先は、北は岩手から南は熊本まで津々浦々に渡りました。調査にはNTTドコモの社員の皆様にも参加していただきました。
対象者はどなたも先進的な生活を送っている方ばかりで、調査に行くたびにこれまでの常識が覆され、203x年は当初想定していたより変化に富んだ、わくわくした世界になりそうだということが、次第にわかってきました。
調査結果は一人ずつ、写真を多用した詳細なレポート(「個票」と呼びます)にまとめ、この後のペルソナ策定ワークショップで素材として活用しました。

<ユーザー調査の様子>

3.ペルソナ策定ワークショップ
2の調査結果を参照しながら、203x年に各調査対象者の理想がかなって大いに活躍しているとしたら、それぞれどのような社会でどのような行動をしているかを、「ペルソナ」として描きました。ワークショップ形式でNTTドコモの社員の皆様と議論をしながら属性や価値観などの骨子を作成した後、デザイン室で持ち帰り、具体的な生活行動をシナリオとして描写するなどの肉付けを行いました。

<ペルソナ策定ワークショップの様子>

4.未来サービス検討ワークショップ
ペルソナに描いた理想を実現するため、課題がどこにあるのかを見出し、それに対してどのようなサービスがあるべきかを検討するワークショップを実施しました。このワークショップでも多くのNTTドコモの社員の皆様に参加していただきました。始めに、NTTドコモ様の既存技術や世の中にあるホットな技術をNTTドコモの研究者の方々に発表してもらい、これを刺激として、未来のサービスを自由に発想していきました。

<未来サービス検討ワークショップの様子>

5.ビジョン策定
ワークショップの結果を分析し、203x年にどのような世界を目指すか、それに向けてNTTドコモ様がどのように貢献するかを文章化し、資料にまとめました。next actionが明確になるよう、目指す世界について、統計データをもとに、具体的な到達点を数値目標として記載しました。

このようにして、ビジョンを一歩進めた「ビジョンが具現化された」内容をNTTドコモの皆様と一緒に作り上げ、最終報告会で報告させていただきました。報告会は対面のワークショップを予定していましたが、昨今の新型コロナの影響で、残念ながらWeb会議となってしまいました。それでも内容に納得感を感じていただいたようで、これをベースに今後他のメンバーとも議論を重ねて更に深めていきたいと、自分事として受け止めていただくことができました。

<クライアントからの声>

実際に私たちが描く未来に近い価値観を持ち生活をされている方々にヒアリングを実施したことでリアリティをもてたことにより納得感が得られました。副次的に「人を見る」ことの重要性についても改めて理解できたこともよかったと感じでいます。(参加メンバーが新規事業でユーザーヒアリングをするときなどにも、今回のインタビューに同席したことが役立っているとのことです。)

新型コロナの影響があり、人々の価値観が変わることが多々出てきました。一度リアルな生活者起点で作ったこのビジョンを、その新たな価値観を入れて見直すことを今実行しています。コロナ以前の人の価値観という軸がしっかりとあるため、そこから変わった点を探し、修正を加えることを実施していこうと考えています。

※本ページに掲載している写真は、NTTドコモ様よりご提供いただいております。