テレワークにおける課題と解決策の検討(JR東日本研究開発センター様)

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2021.5.27
テレワークにおける課題と解決策の仮説作成の支援


・クライアント:JR東日本研究開発センターフロンティアサービス研究所様
・実施協力:NTTコミュニケーションズ様
・チャレンジ:グループディスカッションなどの対面業務が必要不可欠な業務をしていたが、コロナ禍になり対面業務の機会が減った。研究者の生産性を高め、JR東日本グループビジョン「変革2027」にある「ヒトを起点とした価値・サービスの創造」実現と研究者自身の働きがいを得るために、テレワークで生じる課題を明らかにするとともに、課題解決策を作成する。
・アウトプット:テレワークにおける課題と解決策の仮説


JR東日本研究開発センター フロンティアサービス研究所様 情報デザインG(以下、フロ研様)では、顧客サービスに関わる研究・開発を実施してきました。顧客サービス開発を行う際は、グループディスカッション・利用者インタビューなどの対面業務が必要不可欠です。

昨年度、新型コロナウィルス感染拡大の対策として、人との接触を減らす等の「新しい生活様式」の実践が求められました。そのため、対面業務はテレワークを活用して実施するようになりました。テレワークは、時間や場所を有効に活用できるなどの利点があります。しかしその一方で、フロ研様のメンバーは、対面でのディスカッションなどができない事から生じる、生産性やモチベーションなどの維持・向上に対する欠点を感じるようになりました。

そこで、フロ研様が顧客サービス開発で行ってきた対面業務を対象として、テレワークで生じる課題を明らかにし、解決策を作成するためにプロジェクトをスタートしました。

本プロジェクトは、以下の手順で進めました。

1.働く価値観を考える
テレワークは今後さらに浸透し、働き方は変わっていくと考えます。今後、オフィスが縮小され交通費の支給がなくなるなど業務環境の変化、フレックス制度の拡大やジョブ型雇用などの会社制度の改革などが行われていくと考えられます。様々な選択肢が増え、「個人の生き方が問われる時代になった」ともいわれるようになりました(日経ビジネス2020.9.14号)。
そこで、本プロジェクトを始めるにあたり、フロ研のみなさまの「働く価値観」を見直すワークショップを実施しました。ドナルド・E・スーパーのキャリア論を基に、みなさまの仕事に対する価値観を知り、本プロジェクトで考える「理想的な働き方」に対する意識を持っていただきました。

2.業務を分析し、課題点を抽出する

インタビューによる業務見える化

弊社が持つ技能継承の手法を応用し、フロ研様研究員の業務・社内システムに関する困りごとや悩みなどについてインタビューを行いました。インタビュー結果を整理し、業務を可視化しました。
その後、可視化した業務フロー図を基にワークショップを行い、テレワークになって課題を感じている業務について抽出を行いました。

3.テレワークのメリットを考える

テレワークのメリットを考える

本プロジェクトは、テレワークに課題を感じている事で始まりました。しかし、テレワークは、今後、働き方の選択肢のひとつとなっていくことが考えられます。そこで、プロジェクトメンバーがテレワークのメリットを再認識するためのワークショップを実施しました。その結果、業務内容により必要な環境は異なり、フロ研様の業務の中で、どの業務がどのような要素を持つ場所が適しているか、検討を行いました。

4.課題に対する解決策を考える
次に、2の工程で抽出した課題に対して解決方法を考えるワークショップを実施しました。このワークショップでは、課題を深掘りし、問題の本質を捉えてから、その解決策を考えました。
緊急事態宣言中であったため、オンラインで実施いたしました。

オンラインでのアイデア発想WS

オンラインのアイデア発想ワークショップという事で、対面とは違うワークショップの方法を設計しました。個人ワークとグループワークを交互に実施する事で、集中して参加できるようにしました。また、デバイスや操作の慣れで、アイデアの共有に支障をきたさないよう、フリップボード法を用いた設計をしました。

このようにして、フロ研様のみなさまと、テレワークにおける課題と解決策を抽出・検討させていただきました。コロナ禍のため、対面の打ち合わせなどができない状況下で、実施プロセスなど担当の方と十分に議論を行いながら実施させていただきました。
本プロジェクトのアウトプットはテレワークにおける課題と解決策の仮説であり、今後は解決策の受容性評価などを実施し、社内向けサービスとして実現したいと伺っています。将来は、移動を含む生活サービスへの展開も検討したいとのことです。